- 水羊羹の由来・歴史は?
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羊羹のルーツは中国の点心
水羊羹の由来は、中国伝来の「点心」にあります。「羹」は音読みは「かん」ですが、訓読みをすると「あつもの」と読みます。「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」ということわざがあるように、羹は熱いスープのこと。つまり羊の肉を煮込んだスープのことでした。熱々の汁物だけではなく、冷めると肉のゼラチンが固まり、煮こごりの状態になったものも食したといいます。羹は点心のメニューの一つでした。
精進料理で再現
鎌倉時代から室町時代に、中国に留学した禅僧によって日本に伝えられました。ところが、禅宗では肉食が禁じられていたので、小豆や小麦粉、葛粉などの植物性の材料を使って、羊の羹に見立てた料理(蒸羊羹)が作られました。それが時代とともに甘みが加わり、甘葛から砂糖になり、寒天を加えて作る、現在の羊羹になったと言われます。
江戸時代はおせち料理のデザート
水ようかんが誕生したのは、江戸時代後期の頃で、一般に広まったのは明治以降になります。練り羊羹と比べて糖分が少なく日持ちがしないため、おせち料理のデザートとして寒い冬に楽しまれていました。夏の菓子として定着したのは、大正時代から昭和初期にかけてだと考えられています。
- 羊羹と水羊羹の違いは?
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水分量の違い
羊羹も水羊羹も材料は、寒天、あんこ、砂糖など同じです。ようかんは煮詰めて水分を飛ばし、型に流し入れて冷やし固めます。水羊羹は寒天の量を羊羹よりも少なくして水分を増やし、煮詰めないで型に流し入れて冷やし固めます。ようかんの食感は固く、濃厚な甘味があります。水ようかんは水分が多い分、つるんとした食感を味わうことができます。
カロリーの違い
「水ようかん」は100gあたり168kcalなのに対し「ようかん」は289kcalと、1.5倍以上カロリーが高いそうです。
- 有名な水羊羹は?
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福井県のでっち羊かんや大阪の丁稚ようかん。今では夏によく食べられる水ようかんですが、福井県では昔の名残から、冬にこたつに入って食べるお菓子として定着しており、11月〜3月の寒い季節に製造・販売が行われています。
- 粉寒天と棒寒天の特徴は?
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粉寒天
凝固力が強く、固めに仕上がるので、コリコリとした口当たりの水羊羹ができます。水で戻す必要がなく、水に煮溶かすだけで使えます。
糸寒天・棒寒天
粉よりもコシがあり、粘り気のある、ねっとりした水羊羹ができます。水で戻してから使います。
- 水羊羹が分離する理由は?
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水よりあんこの方が比重が重いので、型に流した後にあんこがゆっくり沈んで分離します。
- 水羊羹が失敗する原因と対策は?
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水ようかんのよくある失敗に、@固まらないA水とあんこの二層に分離するB甘さが足りないC固すぎてのど越しがよくない、などがあります。
固まらない
寒天は十分煮溶かさないと固まりません。粉寒天は沸騰後2分、棒寒天は5分煮ます。詳しくは寒天が固まらない原因は?
水とあんこの二層に分離する
あんこは水よりも比重が重いので、熱い状態で型に入れると、冷ましている間にあんこが沈殿して寒天液と分離してしまいます。分離を防ぐコツは、「冷ます」ことと、「かき混ぜる」ことです。寒天は40℃で凝固が始まります。それまでは氷水入りのボウルにつけて、かき混ぜながら冷まします。とろみがついてきて手に重みを感じるようになれば、もう分離しません。かき混ぜながら型に流します。
甘さが足りない
甘味が足りない場合は、砂糖を足して甘さを調整して下さい。
固すぎてのど越しがよくない
寒天を入れ過ぎるとかたくなるので、ぷるぷるの水羊羹を作るためには、寒天の量を限界まで少なくしましょう。ぷるぷる水ようかんの材料の分量の一例です。寒天を好みの固さに調整するには?もご覧ください。
材料(4人分)
こし餡…200g
粉寒天…2g(小さじ1)
水…500cc
砂糖…20g
塩…1g(小さじ1/5程度)
葛粉か片栗粉1.5gを水大さじ1で溶いたものを、あんこを煮溶かした後に加えても、口当たりがなめらかになります。
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- 寒天を好みの固さに調整するには?
- 粉寒天2gに対しての水の量です。
- 水250cc…固め(規定量)
- 水300cc…スタンダードな固さ
- 水400cc…ぷるぷる
- 水500cc…ゆるゆる・とろとろ
- 棒寒天を粉寒天に置き換えると何グラム?
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粉寒天は寒天の固まる成分を精製して作られているので凝固力が強く、棒寒天の約半分の量で固めることができます。棒寒天1本(25cm)が8gなので、粉寒天であれば4gで置き換えます。
- 寒天の種類と使い方は?
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寒天はテングサやオゴノリなどの海藻から作られます。大きく分けると、天然寒天の@棒寒天(角寒天)とA糸寒天と、工業寒天のB粉末寒天の3種類に分けることができます。
棒寒天
棒状の寒天。自然の寒気を利用して凍結と天日乾燥を繰り返して作られます。ちぎって水に浸してふやかし、水気を絞ってから使う。固まりが消えて透明感が出るまで煮溶かす。
糸寒天
細い糸状の寒天。棒寒天と同じ製法で作られます。水に浸してふやかし、水気を絞ってサラダやスープの具などに使われる。溶かして使用する場合は、固まりが消えて透明感が出るまで煮る。
粉寒天
工場で粉末状に加工した寒天。棒寒天や糸寒天のようにふやかす手間がいらないので、手軽に使える。水に加えて火にかけ、沸騰したら底に溜まらないようにかき混ぜながら、2分ほど加熱する。
- 寒天が固まらない原因は?
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- 寒天が完全に溶けていない
寒天はしっかり煮溶かさないと固まりません。電子レンジで加熱した程度では、完全には溶けきりません。また、鍋で軽く沸かした程度でもNG。見た目は透明に見えて溶けているように思えても、完全には溶けていない場合があります。寒天の融点はおよそ90℃ですが、特殊なものでは98℃以上のものもあるので、沸騰後2分間は煮る必要があります。棒寒天は5分間沸騰させます。
- 酸味の強い果物を一緒に加えて煮た
寒天は酸に弱いため、レモンやキウイ、柑橘類などの酸味の強い果汁を加えて煮ると固まりにくくなります。酸味の強いものを加えるときは、寒天を煮溶かし、火を止めて粗熱がとれた後に加えましょう。
- 冷たい牛乳やジュースを加えた
急に牛乳やジュースなどの冷たい液体を加えると、冷たいものに触れた部分の寒天だけが先に固まってしまい、ダマになったり分離したりして、うまく固まらないことがあります。牛乳寒天やフルーツ寒天を作るときは、人肌程度(40℃程度)まで温めてから加えましょう。
- 寒天の量が足りない
寒天の量が少なすぎると固まらないことがあります。液体500mlに対して棒寒天は1本、糸寒天は8g、粉寒天は4gが目安です。
- 寒天が固まらなかった時の対処法は?
- 多くの場合は寒天が完全に溶けていなかったことが原因なので、再度加熱して溶かし、もう一度冷やしてみましょう。寒天は90℃以上で溶けますが、完全に溶かすには沸騰させてから2分間は加熱させます。棒寒天は5分くらい加熱を続けます。